「21世紀アメリカの喜劇人」追記<多分前編>

「21世紀アメリカの喜劇人」が刊行されてから1年が経った。その間にテレビ界に大きな人事異動があったので第2章と第3章の追記代わりにメモしておく。

デイヴィッド・レターマン

 「笑っていいとも!」と同じ1982年にスタートした前身番組『レイト・ナイト・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』を含めると32年間平日の深夜帯番組の司会を続けてきた生ける伝説が、2014年4月、CBSの夜の帯番組『レイト・ショウ』を来年に降板すると宣言した。全米では早くも”レターマン・ロス”を心配する声が。


スティーヴン・コルベア

『レイト・ショウ』の後任司会に抜擢されたのはこの人。1964年ワシントンD.C.生まれ。ノースウェスタン大学卒業後、ImprovOlympicやセカンド・シティを経て『ザ・デイリー・ショー』でブレイク。2005年からスタートしたコメディ・セントラルの『ザ・コルベア・レポー』でアホな保守派の論客を演じ続けていた。

来年、同時間帯で戦うことになるジミー・ファロンの番組で、ザ・ルーツをバックにレベッカ・ブラック「Friday」を熱唱するスティーヴン・コルベア


ジェイ・レノ

レターマンのライバル、ジェイ・レノの方は、既に2月に1992年から司会を続けてきたNBC『トゥナイト・ショー』を降板。2010年に起きたコナン・オブライエンとの一件(オブライエンにトゥナイトショーを譲って前の時間帯を移ったものの、視聴率が悪かったことから出戻って結果的にオブライエンをNBCから追い出してしまった)があったため、レノの退任を惜しむ声はあまり起きず。レターマンをタモリとするなら、彼はみのもんたという感じか。


ジミー・ファロン

その『トゥナイト・ショー』を継いだのは1998年から2004年まで『サタデー・ナイト・ライブ』(SNL)に出演していたコメディ俳優のジミー・ファロン。2009年から『トゥナイト・ショー』の後ろの時間帯で『レイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロン』を司会しており、バックバンドのザ・ルーツを含めたキャストやスタッフがそのまま『トゥナイト・ショー』に移ってくる形になった。ともかくファロンは39歳にして国民的番組の司会者になったことになる。

アン・ハザウェイとヒップホップ名曲をブロードウェイ・ミュージカル風に歌うジミー・ファロン


セス・マイヤーズ

ファロン達が去った『レイト・ナイト』の司会を継いだのはSNLを卒業したばかりのイケメン、セス・マイヤーズ。1974年生まれ。イリノイ出身のユダヤ系でノースウェスタン大学卒。 ImprovOlympicやBoom Chicagoを経て2001年にSNL入り、2006年からはヘッドライター(ギャグの総責任者)とパロディ・ニュース・コーナー「ウィークエンド・アップデート」のキャスターも担当していた。彼だけでなくマイヤーズ時代のSNLを支えた人気者が2012年頃から相次いで番組を卒業したため、SNLは大変革を迫られることになった。


アンディ・サムバーグ

マイヤーズ時代のSNLが生んだクリステン・ウィグと並ぶ最大のスター。1978年生まれ。カリフォルニア州バークレー出身のユダヤ系。UCSC〜ニューヨーク大卒。2001年にロンリーアイランドを結成、2005年にSNL入りして2012年に卒業。2013年からFOXで刑事コメディ『Brooklyn Nine-Nine』をスタートして、ゴールデン・グローブ賞でコメディ番組賞とコメディ番組主演男優賞を獲得した。同年にはジョアンナ・ニューサムと結婚!

『Brooklyn Nine-Nine』予告編


ビル・ヘダー

ビデオネタが多かったサムバーグに対し、主に生コントで活躍していたマイヤーズ時代もう一人のエース。1978年生まれのオクラホマ州出身でThe Art Institute of Phoenix〜スコッツデイル・コミュニティ・カレッジ卒。セカンド・シティとiO West(ImprovOlympicの西海岸支部)を経て2005年にSNL入り、2013年に卒業した。卒業後は「これまでニューヨークに単身赴任していたので妻(『私にもできる!イケてる女の10(以上)のこと』の監督マギー・キャリー)としばらくゆっくりしたい。」と言っているが、SNL時代の仲間クリステン・ウィグと主演した『The Skeleton Twins』、ポール・ラッド&エイミー・ポーラー主演作『They Came Together』への助演、そして『くもりときどきミートボール2』ほかの声優仕事と結構忙しい。

Weekend Update: Stefon's Farewell - Saturday Night Live

ヘダーの生んだ最高のキャラ、ニューヨークの怪しいナイトクラブ・シーンの事情通のゲイ「ステフォン」が最後に登場した回。彼への想いに何故か気づくセス・マイヤーズとの愛の行方は?特別出演のアンダーソン・クーパーが最高すぎる!


ジェイソン・サダイキス

やはり2013年にSNLを去ったコメディアン。1975年生まれのヴァージニア生まれのカンザス育ち。シャウニー・ミッション・ウエスト高校卒。シカゴに移りAnnoyance Theatre とImprovOlympicを経て2003年にSNLにライター採用、2005年からパフォーマーになった。卒業が決まった年にいきなり主演作『なんちゃって家族』が大ヒットするなど幸先の良いスタートを切っている。2014年には『モンスター上司』続編とレベッカ・ホールと共演したロマコメ『Tumbledown』が公開予定。ちなみに現在オリヴィア・ワイルドと婚約中。

『なんちゃって家族』予告編


フレッド・アーミセン

2013年にSNLを去った男では最年長の1966年生まれ。ミシシッピー生まれのマンハッタン育ちで、人種不明のルックスの内訳は、ベネズエラ50%、ドイツ25%、日本25%らしい。School of Visual Artsを中退してロック・ドラマーになり、トレンチマウスのドラマーとして90年代前半活動。その傍らでスタンダップ・コメディを始め、2002年にSNL入りして長きにわたり活躍し続けてきた。得意キャラはオバさんキャラ全般。SNL在籍中の2011年から自身の番組『Portlandia』をスタートしたのに加え、2014年からセス・マイヤーズ司会の『レイト・ナイト』のバックバンドのバンマスに就任。トークからバンドのブッキングまで参謀格としてマイヤーズをサポートしている。

Ian Rubbish - It's A Lovely Day

持ちキャラの英国人パンク・パンクロッカー”イアン・ラビッシュ”になりきったまま、スティーブ・ジョーンズを従えて熱唱!


多分後編に続く。