今週のTOP5





「Vogue」のカリスマ編集者グレース・コディントンのお宅訪問
勿論シックでお洒落な部屋なんだけど、同時にハードコアなネコおばさんであることも露呈! ちなみに「ネコおばさん」のことを米国では「Crazy Cat Lady」という。「レゴムービー」の世界にもいたし、「誰が一番狂ったネコおばさんになれるか」を競うボードゲームも発売されている。


「クローズアップ現代 “独立”する富裕層 ~アメリカ 深まる社会の分断〜」
『ブリング・リング』の窃盗団はロサンゼルス市ではなくカラバサス市出身である。米国では住民投票による自治体独立がとても簡単なので、税制の優遇を求めて91年にロサンゼルス群から独立したのだ。そして現在、同じことが米国のあちこちで行われて深刻な問題になっているらしい。番組を観て日本の未来の姿を観る想いだった。


ミス・ピギーのお茶会に招待されるヴィヴィアン・ウエストウッド
文字通りの茶番に律儀に付き合うヴィヴィアンはイイ人!



SZA「Z」
TDE(トップ・ドッグ・エンタテイメント)の紅一点シンガーのメジャーデビュー作。”西のジャネイ・アイコ”(SZA自身は東海岸のニュージャージー出身なのだが)と呼びたいチル・ウェーヴR&Bを展開。ちなみにアイゼイア・ラシャドのアルバム同様、フィジカル・リリースは無し。TDEの配給が最も売上げの基準の厳しいインタースコープ/アフターマスだからこそ、こうした判断になったのだとは思うけど、今後こうした形態のリリースは新人〜中堅で増えそうだ。

SZA - Babylon


千歳烏山「ラ・ヴィエイユ・フランス」のチョコミルクジャム
これを朝に舐めて元気を出している。



シネマ酒オン・ザ・ロック「エブリバディ」


  ロサンゼルス。久々に再会した俳優のジェイ・バルチュルとセス・ローゲンが、ジェームズ・フランコ邸で開催されたパーティへとやって来た。そこでは既にジョナ・ヒルやマイケル・セラ、ポール・ラッド、ジェイソン・シーゲル、クリストファー・ミンツ=プラッセらが大盛り上がり。ハリウッド・スターである彼らはクスリやセックスに溺れており、しばらく業界と距離を置いていたジェイはドン引きしてしまう。

   そんな時、突然地面が割れて至るところから火柱が吹き上がった。ジェイはパーティに向かう途中に立ち寄ったスーパーで見た不思議な光景を思い出した。それは青い光で天に昇っていく買い物客の姿だった。マリファナのせいかと思ったけど、あれは真実だったのだ。そう、旧約聖書に書かれた「最後の審判」の日が遂に訪れたのだ!  しかしパーティの出席者はスーパーの買い物客とは正反対に、次々と地底に吸い込まれていってしまう。神は罪深いハリウッド人種に厳しかったのだ。何とかフランコ邸に立てこもることに成功したのはジェイ、セス、フランコ、ジョナ、クレイグ・ロビンソン、そして遅れてパーティにやって来たダニー・マクブライドの6人。だが天から一向に救いはやってこない。果たして彼らは世界の終末を生き延びられるのだろうか……。

  これまで『スーパーバッド 童貞ウォーズ』や『スモーキング・ハイ』、『グリーン・ホーネット』といったコメディ映画でプロデュースや脚本を手がけてきたセス・ローゲンとエヴァン・ゴールドバーグのコンビが、初めてメガホンも取った『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』は、アパトー・ギャングの仲間たちが実名で登場する黙示録コメディとなった。

  私生活でも友人同士の連中が本人の役を演じていることから想像出来るように全編、力の抜けたギャグが繰り出されている。ジェームズ・フランコは『トリスタンとイゾルデ』や『フライボーイズ』といった低迷期の自分の主演作を口にしながら「クールなイメージ」を維持したいがために『スモーキング・ハイ2』の脚本を書くようにセスにプレッシャーをかけてくるし、演技派に転向したことを鼻にかけているジョナ・ヒルは「神様、ジョナ・ヒルです……『マネーボール』の」と天に向かって語りかける。中でも最低(最高)なのがダニー・マクブライドだ。フランコ邸に逃げ込んできたエマ・ワトソン(もちろん演じているのは本人。『ハリ・ポタ』以降では一番イイ)をどうやってレイプしようか延々と仲間に相談するシーンとか本当にヒドすぎ。それ以降も悪行の限りを尽くしまくる!

 もちろんこれらは暴露ではなく、パブリック・イメージを逆手に取ったセスとエヴァンによるギャグなわけだが。あまりのバカバカしさに失笑させられる一方で、仲間の中では比較的地味なジェイ・バルチェルに敢えて主人公役をあてがったアパトー・ギャングの面々の熱い友情にぐっとさせられる。そう、今やそれぞれスターになって多忙を極めているアパトー・ギャングの面々にとって、昔のように一緒にいられる時間はもう残り少なくなっている。本作は友情を再確認しながら、次の段階にステップアップする前に開いた宴会を記録した作品なのである。

  そんな映画の中で重要な役割を果たしているナンバーが、バックストリート・ボーイズが97年に放った大ヒット曲「エブリバディ」だ。最初、この曲はジェイとセスが再会を祝っているシーンで流れる。この時のこの曲は、たまたま二人が初めて出会った頃に流行っていた過去のアイドルによるダサいヒット曲でしかない。しかし二度目に「エブリバディ」が流れる時、この曲はアンセムとして感動的に鳴り響くのだ……いや、シチュエーション自体は十分バカバカしいんだけどね。


バックストリート・ボーイズ「エブリバディ」

今週のTOP5


レア・セドゥが出演したPRADAのフレグランスのCM
 ビジュアルは『バーバレラ』だし音楽はピエール・アンリだしベリー渋谷系である。



『マダム・イン・ニューヨーク』
試写で鑑賞。家族で唯一ヒンディー語しか喋れないことにコンプレックスを抱くインド人主婦が、姪の結婚式の準備のために訪れたNYで英語を勉強するというコメディ。彼の地で英語が通じない時の絶望感の何と巧みなことよ。自分も同じ経験をしたことがあるので余計そう思う。同時にインドにおける英語の存在の大きさも再確認。なおヒロインは多分30代後半の設定だけど、主演のシュリデヴィは63年生まれ。超絶美魔女である。



今年は同じ4/20になった復活祭とマリファナ・デーを同時に祝うスヌープ・ドッグならぬスヌープ・バニー



『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』
95歳の童貞男と経験豊富そうなブラック・ウィドウが意外な相性の良さを見せる作品だが、実はクリス・エヴァンズとスカ子は10年前の『スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦』以来の仲である。



キャプテンとブラック・ウィドウの2度目の共演は、7年前の『私がクマにキレた理由』。原題は『The Nanny Diaries』だけど原作本は『ティファニーで子育てを』という邦題で文春から出ていた。




アサヒビール株主限定ビール
ひょんなことから入手したけどコク重視で美味。もしかするとアサヒの内部にはスーパードライの味を良しとしない勢力がいるのかもしれない。

今週のTOP5


「世界名作劇場 赤毛のアン」
高畑勲演出の79年版アニメが、朝ドラ『花子とアン』と連動する形でNHK-BSで再放映開始。ほぼリアルタイムで観てるんだけど、ここまでテンポがスローだったとは!背景が印象画風のタッチだったりと、今なら分る作り手の拘りが満載だ。エンディングがブツ切りなのは悲しいけど。

「赤毛のアン」 主題歌「きこえるかしら」

「赤毛のアン」 エンディング曲「さめない夢」


おそらく日本アニメ史上最高の主題歌&エンディング曲。作編曲の三善晃は現代音楽の巨匠で、今話題の新垣さんの師匠にあたる人。


押野素子「禁断の英語塾」 (SPACE SHOWER BOOKs)
「bmr」連載時から愛読していたコラムが待望の書籍化。米国ヒップホップ〜R&Bを嗜む者にとって「丸屋九兵衛が選ぶ、ヒップホップの決めゼリフ」と並んで座右の書として置くべき。


「コレド室町」
『アメイジング・スパイダーマン2』を試写で観たあとフラフラしたんだけど、和物中心のセレクトに三菱グループ主導の丸の内の町づくりにライバル心を燃やす三井グループの意地を見た。それと東京の最果て、町田発祥の富澤商店がテナントに入っていることに町田出身者として妙な感慨を覚えました。


Baby Huey 「The Baby Huey Story The Living Legend」
カーティス・メイフィールド関連作のレア盤として有名なアルバムがたったの1000円ちょい。しかも信頼の日本盤。最近のワーナーのリイシューはトンデモないものがある。

Baby Huey - Hard Times



4月10日のバート・バカラック来日公演
NHKホールでバカラック翁の音楽を堪能。今回「On My Own」をやった代わりに前回やった「愛のハーモニー」が消滅。キャロル・ベイヤー・セイガーとのコンビ曲には曲数制限があるんだろうか。もちろんハル・デヴィッドとのコンビが最強とは思うけど80年代のクリスタル期も捨てがたいのだ。

El Debarge-Love Always


クリスタル期のナイス・チューン。次に来日した時(今85歳だけどまだまだイケるでしょ!)はこの曲をやって欲しい。

今週のTOP5


『サム&キャット』
『アイ・カーリー』と『ビクトリアス』の脇役同士を組ませた子ども向けシットコムなんだけど、想像以上にすごかった。暴力女とバカ娘が暴走するだけの、何の教訓ももたらさない至福の30分!ある意味、日本のテレビ局で放映されているコメディ番組の中で一番過激な番組だと思う。

Sam & Cat TV Show Promo Trailer



  BADBADNOTGOOD「Ⅲ」 
いま最もラッパー達に支持されているジャズトリオの初の公式アルバム。ヒップホップとジャズについて改めて考えさせられた。

BADBADNOTGOOD x Tyler, The Creator - Seven


彼らの名を一躍上げたタイラーとのセッション曲。


  椎根和「銀座Hanako物語―バブルを駆けた雑誌の2000日」
同じ著者(両誌の元編集長)の「popeye物語―若者を変えた伝説の雑誌」が”スゴい男性編集者列伝”だったのと比べるとこちらは”スゴい女性編集者&プレス列伝”といった趣き。でも個人的に最も印象に残ったのは教文館書店の社長のエピソード。皆さん、雑誌ってひとつの書店で最大何冊売れると思いますか?せいぜい600〜700冊と思うでしょ?ところが「Hanako」に惚れ込んだ社長はあの狭い店頭に屋台を設置して雨の日も風の日も深夜まで屋台に陣取って「Hanako」を売りまくり、創刊から3年間の平均で1号あたり2400冊売ったのだそう。ちなみに最高記録は89年銀座特集号の3万冊。教文館書店の社長、マジキチ! ちなみに「花子とアン」の主人公、村岡花子は教文館出版の社員だったことがある。「Hanako」と花子のシンクロニシティ!


  黒田 隆憲「マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて ケヴィン・シールズのサウンドの秘密を追って」
マイブラ愛の深さに感嘆。この本は海外で発売したらインディバンドのギタリストが全員買うと思う。なぜならケヴィンのエフェクターセッティングが明かされているから!

MY BLOODY VALENTINE New You


「アンディ・ウォーホル展 永遠の15分」at 森美術館 
商業デザイナー時代はアーティスティックで、アーティストになってからはコマーシャル。果てしない自己承認欲求の強さという意味でも先駆者的存在だったことを再確認。

3月の営業報告


「ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 」で連載コラムが始まりました。題して「長谷川町蔵のシネ曼荼羅〜ベイビー」。察しがつく通り新作映画プラス曼荼羅的に広がる派生のモノを紹介します。 第一回は『LIFE!』を取り上げました。 「シネ曼荼羅〜ベイビー」は勿論イーストウッドの「ミリオンダラー・ベイビー」のもじりだけど、実は彼の監督作なら「ヒア アフター」の方が何倍も好きな私はシャマラニスト。

『LIFE!』予告編


Sony Selectのページのエンタメ・ニュースのキュレーション連載が更新されています。


「CREA (クレア)4月号」に「長谷川町蔵のGREAT CINEMA」第2回が掲載されています。今回取り上げた女芸人はティナ・フェイとエイミー・ポーラー。


祝:45周年の「ミュージック・マガジン 2014年 04月号」でアンディ・サマーズの新ユニット、circa zeroのアルバム評と2020年東京オリンピックについてのコラムを書いています。実はMM誌には4年前にもオリンピックについて書いていたりします。

Circa Zero - Live at the El Rey Theatre "Levitation"


唐沢寿明のトラックスーツ姿にシビれる発売中の「映画秘宝 2014年 05月号」では、サントラ・コラムのほか、『LIFE!』の紹介文を執筆。また特集「まだ観ぬ面白い洋画」や「ワールズ・エンド&酔いどれ映画の世界」、フィリップ・シーモア・ホフマン追悼特集に顔を出しています。


Music Unlimitedで「長谷川町蔵のサウンド・トラック野郎 -第4回-」がアップされてます。今回はバート・バカラック特集。

Manfred Mann - My Little Red Book

泣きの曲もイイけど、躁状態のバカラック・ナンバーに顕著なアヴァンギャルドさが大好きだ。


「FRIDAY (フライデー) 2014年 4/11号」「ぴあMovie Special 2014 Spring」で『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』を紹介。

『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』予告編


「TRANSIT(トランジット)24号 美しきカリブの海へ」でレゲトンについてコラムを書きました。見開きの反対側が北中正和先生の洒脱なカリプソ解説なので何だか恥ずかしい……。

以上、よろしくお願いします。